内蔵ＤＶＤドライブの修理
　トレイが出てこない場合

←　画像01　トレイが出なくなったDVDドライブの一例

パソコンのＤＶＤドライブの故障の内、トレイが出そうで出なくなる、
と言うのが最も多いのではと思います。
当局のパソコンでも、この故障が時々発生します。
DVDディスクを読まない訳では無いので、ちょっとした細工で修理できます。
原因はディスクを挟み込む回転軸が固定用磁石の力を振り切る力が減少したためで、
磁石の位置をわずかに遠ざけて、その離脱負荷を軽くしてやります。

「DVDドライブを認識しない」はこの修理では解決しません。
それはＯＳ（Windows)の操作が必要です。

←　修理部分の確認

DVDドライブの上面に窓があり、蓋が接着剤でくっついています。
これを剥がします。
このドライブは、白いプラスチックの円盤が蓋に当たります。
これをマイナスドライバ等で剥がします。

←　金属製の蓋もある

今回のケースでは、上面蓋がプラスチックですが、画像左のドライブのように、
金属製もある。
いずれも接着剤でくっ付いているだけなので、剥がれます。

←　ドライブ後面

今回のドライブはパラレルATAケーブル用のインターフェイスです。
最近はシリアルATA用ばかりで、このタイプは新品では見なくなりました。

←　上面窓の蓋を剥がしました

蓋はマイナスドライバ等ですぐ剥がれます。
またくっ付けますので、接着面は触らないようにします。

←　ディスク固定部分を拡大しました

←　ディスク固定部分を取りました

スピンドル部分が見えます。
これが上下し、トレーに乗ったディスク中央にはまり込みます。

←　ディスク固定用部分

動作時はスピンドル部分が、DVDディスクの乗ったトレーまで上がってきて、
これが磁力でスピンドルに吸着し、ディスクを挟み、固定します。
中央の金属部分に強力な永久磁石があります。

←　ディスク固定部分・裏面（ディスク面）

←　ディスク固定部分の金属部（磁石部）を取り外しました。

←　磁石部分の裏面

←　磁石部分の永久磁石を剥がしました。

意外と強力な磁石です。
剥がすには結構力が必要です。

←　残されたドライブ本体

ディスク固定部分（磁石）が無くなったので、この状態で電源を接続すると
トレーの開閉が自由にできます。

←　清掃しました・・・

←　乾燥して、装着準備ＯＫ

これは、磁石との距離が少し離れると、磁力がかなり弱くなる事を利用しています。
金属部分（磁石部分）を元の様に嵌め込みと、トレーが出てきません。
金属部分を所定の場所に嵌め込まないで、ただ乗っけるだけにします。
すると、磁石部分は少し浮く事になります。
これにより、この磁石とスピンドルの吸着力を弱めてやります。
これが今回の修理の理屈です。
乗っけたままでは使えないので、ホットグルーガンで固定します。

ホットグルーガンで接着剤を注入

熱いうちに金属（磁石）部分を接着します。

金属部分を乗っけました

傾かない様に、金属部分をきれいに乗っけます。
金属部分はいったん剥がすので、まだアンダーカット部分を作りません。
樹脂が固まるまで加圧・固定します。

←　固まってから、いったん金属部分を取りました

←　再度ホットグルーガンを使用します。
今度はアンダーカット部分を作り、脱離しない様に固定します。
ホットグルーガンの樹脂は接着しません。
機械的な（アンダーカット等）固定となります。

←　元の位置に装着

カバーもそのまま接着します。

←　完了です

電源を接続し、開閉動作を確認
使用材料は、ホットグルーガンのみと言う安直な修理ですが、
これでDVDドライブの修理は２台目です。
いずれも、その後快調に動作しています。